在宅医療の夜間コールセンターで働くCさん
介護をきっかけに在宅医療に興味を持ったCさん
急性期病院で高度な専門的医療を学んでいたCさんは看護師として順調にキャリアを積み重ねていました。ところが、5年ほど経った頃、Cさんのお父さんが国に指定されている難病を患い、自宅療養を余儀なくされたそうです。お母さんと一緒に看病していましたが、昼間はお父さんが1人になってしまうため、Cさんは夜勤がメインの勤務にシフトを変更し介護にあたりました。
夜間専門看護師として病棟やICU、救急外来などを担当しながら5年ほど働いた頃、これまでとは違う分野で働いてみたいと思い立ち、新しいステージへ転職することにしたそうです。看護師として10年間働いてきた経験と、お父さんの看護を通して在宅医療に対する興味があったことから、在宅医療の夜間コールセンターで働くことに決めました。
これまでの経験を役立てる
Cさんが転職した医療法人は多くの患者さんを抱えた規模の大きなところでした。質の高い在宅医療を提供するために昼夜が完全に分離した当直医制度を取っていましたが、夜間は人が少なく当直医が診療中で電話に出られないなど、すぐに対応するのは難しい状態でした。そこで、この課題をクリアするために頼りにされたのがCさんです。夜間専門看護師として様々な経験を持つCさんが中心となって、マニュアルや教育体制を確立し、コールセンターが機能するように尽力しました。
Cさんが働くコールセンターは平日の夜間と休日の昼間が対応時間です。病院などの医療機関が閉まっている時間帯のため、心配や不安で焦って電話をかけてくる人も少なくありません。Cさんは必要なアドバイスだけではなく、相談者が正確に対処できるよう、会話の中で気持ちが落ち着くように誘導することも心がけているそうです。
声を通して支える
コールセンターの立ち上げ当初から関わってきたCさんは電話相談だけでなく人材の育成も担っています。より的確なアドバイスができるようにCさん自ら訪問診療に同行して在宅医療を学び、コールセンターのスタッフに情報を共有したり、実際にあった相談内容についてお互いにどう対応するかの症例検討を行ったり、医師による勉強会を開催したりと常にスキルアップを図っています。
コールセンターは必要な看護を声でしか伝えることができません。しかし、相談相手の心配を取り除いたり、苦しみや不安を和らげたりすることはできます。Cさんは患者さんやご家族が安心して過ごせるように、声を通して支えていくことを意識しながら対応しているそうです。
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